発見が早ければ早いほど高い治療効果を期待できます
認知症は診断技術が近年、大きく進歩して軽度の症状の段階で診断できるようになっています。また、アルツハイマー型認知症に関しては、発症前の段階である軽度認知障害(MCI)を発見して適切な治療を行うことで、アルツハイマー型認知症自体の発症を遅らせる効果も期待できます。他のタイプの認知症でも、早期発見によって進行を遅らせる、手術で改善できることもあります。
認知症の治療効果は発見が早ければ早いほど高くなるとされていますので、気になることがあったら早めに専門医を受診してください。
ご本人とご家族にとってのメリット
早期発見することでお悩みが深刻になる前に軽減できる可能性が高くなります。当院では専門医が患者様やご家族のお話をじっくりうかがって、病気の状態や今後の展望、治療方針などについてわかりやすくご説明し、どんなご質問にも真摯にお答えしています。一般的な治療だけでなく、臨床心理士による心理療法や心理検査、カウンセリングなども可能です。具体的な対応について事前に知っておくことで安心して暮らせます。また、専門医による診断を受けることで介護サービスの利用も可能になりますので、ご家族の負担も軽減できます。ご本人やご家族のお気持ちが穏やかになることは、症状の改善にも良い効果をもたらします。
初期症状のチェックポイント
もの忘れは加齢の生理的な現象でも起こりますが、もの忘れを放置して進行し症状の深刻さで認知症とわかっても効果的な改善は困難です。認知症で起こりやすい症状に関して下記でご紹介しますので、少しでも当てはまる症状がありましたらお気軽にご相談ください。
もの忘れ
人やものの名前を思い出せない
- 同じことを繰り返し聞く、言う、行う
- 置き忘れ、しまい忘れ、紛失が増える
- しょっちゅうなにかを探している
- 食べたものを思い出せない
- 切ってすぐなのに電話の相手が誰だかわからない
- 大事なものを盗まれたと疑う
- 最近の記憶ほどあいまいになりやすい
判断力や理解力
- ドラマや映画などの内容についていけない
- 新しいことを覚えられない
- 得意料理を失敗する
- 簡単な計算を間違えることが増えた
- 家事や運転などでヒヤッとすることがある
- なんの話をしているのかよくわからないと指摘された
場所・時聞
- 約束の日時や場所を間違える
- 約束したことを忘れる
- 年月日、時間、今いる場所がわからないことがある
- 何度も行っている場所で迷ってしまう
性格の変化
- 怒りっぽくなった
- 人の考えに歩み寄れず頑固になった
- 失敗を人のせいにする
不安
- 些細なことで不安になる・理由なく不安になる
- 出かける前や外出時に何度も鞄の中を調べる
- 1人になるのを嫌がる
意欲・興味
- 着替えや入浴などがおろそかになった
- 同じ格好ばかりしている
- TPOに合わせた服装ができない
- 以前夢中になったことに興味を示さない
- 気分が落ち込んでなにもする気になれない
- 新しいことを億劫に感じる
- やりかけて放置してしまう