認知症の検査
認知症の診断医必要な検査には、問診、神経心理検査、血液検査や一般的な身体検査、画像検査などがあります。
問診では症状の内容や起こりはじめた時期と経緯、特に不安や心配に感じていること、お困りの点などについてうかがいます。
神経心理検査は、どの認知機能が維持・低下されているのかを把握するために行います。これで認知症の原因疾患も推測できますし、患者様がより快適に暮らすための生活習慣の見直しや改善にもつながります。
患者様によっては心理的な負担を感じることがありますが、適切な治療には不可欠な検査であり、初診時だけでなく、経過を正確に把握してより良い治療につなげるためにも定期的に行う必要があります。
問診検査(神経心理学検査)
神経心理検査は、問診形式で行って認知機能を評価するため検査です。主な神経心理検査には長谷川式認知症スケールやMMSE(Mini-Mental State Examination)がありますが、当院では状態にきめ細かく合わせるために、数多くの検査を行っています。こうした検査では、点数によって認知症が疑われるなどを判断できますが、こうした点数だけで認知症と診断することはありません。
どの認知機能が維持・低下されているのかを把握して認知症の原因疾患を推測し、患者様がより快適に暮らすための生活習慣の見直しや改善につなげます。
また、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)は早期の発見と適切な治療が特に重要ですが、進行リスクの判断には画像検査よりも神経心理学検査が役立つことがよくあります。
一般的には、もの忘れの検査として紹介されていることが多いのですが、こうした名称には抵抗を感じることがありますし、検査に対する心理的負担が増えてしまうこともありますので、そうした点にも配慮して検査を行っています。
血液・一般的身体検査
一般的な健康診断の血液検査では調べない、認知機能低下に関わる機能もしっかり調べる検査です。他の病気によって認知機能の低下が起きている場合もありますし、手術などによって改善できるケースも存在しますので、そうした疾患の見落としがないかを確かめるためにも不可欠です。また、必要があると判断されたら血液検査の一般的な項目や甲状腺などのホルモンの状態を調べることもあります。また心電図検査、尿検査、X線検査、運動機能・神経の働きなどを調べる神経学的検査などを行うこともあります。
脳画像検査
認知症の症状を起こす脳の疾患に硬膜下血腫や水頭症などがありますが、こうした疾患は画像診断で発見できます。治療が可能ですから、早期の発見が重要になります。また、脳画像検査で脳の萎縮度合いや血流の状態を調べることで認知症の診断に役立ちます。
地域の医療機関と連携して種々の画像検査のプランを提案させて頂きます。